2019年12月25日(水) たかが綿棒、されど綿棒、耳鼻科医の独り言
12月も残すところあとわずか。例年以上に紅葉シーズンが長く続いたように感じたが、とうとう鎌ケ谷グリーンハイツ周辺のイチョウ並木も丸裸だ。
気温が下がり鎌ケ谷市内からも富士山がよく見える季節になった。東武線に乗って西側を見ていると、鎌ヶ谷駅周辺は高架になっているため、富士山とそれに絡みつくようにスカイツリーがよく見える。電車が柏方面へ走って行くとスカイツリーの位置が右から左と移動していくのが面白い。鎌中あたりで交差するのだが、慌ててポケットカメラを取り出しているともう遅い。それと、撮影時に気になることが2つ。1つは電線が邪魔。肉眼で見ているときには、自然にカットして遠景を眺めているが、写真を見ると横に何本も走っている電線が気になる。
もう1つは電車の窓が汚いこと。“アーバンパークライン”などというアカデミックな名前に改称したのだから、その辺の整備もしっかりして欲しいものだ。少なくともJRの窓の方がきれいだね。もっとも私のような古いタイプは“野田線”のまま方が好きですがね。
毎年のことだが、インフルエンザが流行ってきた。先日患者さんに「毎日何人もの患者さんに接していて何で移らないんですか?」と聞かれた。返事は「毎日浴びているから。」とした。仕事柄、毎日顔面に“しぶき”を浴びている。一応予防接種はしているがそんなことより、日々の刺激の方がよほど効果的なのだろうと、勝手に思っている。
先日医師会からパンフレットが届いた。「インフルエンザかな、と思ったら内科・小児科を受診してね!」ですと。私はムッとしたね。少なくともこれだけは言っておこう。私は上咽頭から粘液を採取する際には、鼻の穴をパカッと広げて、左右を見比べ隙間を見つけ、なるべく下鼻甲介や鼻中隔にぶつからないようにやや湾曲させた綿棒を通して採取していると。この時期になると、ニュースでしばしば現場の映像が流れる。まっすぐな綿棒を盲目的に突っ込んで粘液を採取している。あれじゃあ痛いよな。鼻血も出るさ。盲目的に採取する場合は、左の親指で鼻尖部を上にあげ、鼻孔の下側・鼻底部を這わせるように綿棒を挿入することだ。耳鼻科医にとっては何でもないことだけどもね。
先週末、名古屋で専門医講習会があり、23日午前中の診療後に参加してきた。2000名余りが参加したそうで、全国四分の一の耳鼻科医が集まったことになる。
向かって左が静岡で開業するN氏、右は室蘭で開業するK氏。かつては先輩後輩の間柄だったが、今となっては3人とも60代となり年齢差は誤差範囲で、話題は近年とみに老いてきた事と、昔話に花が咲いた。
24日の、昼前には耳鳴の講演があり第2会場へ行ってみると、外まで並ぶ長蛇の列が出来ていて、その会場は立ち見となった。とても立ったまま1時間聞くにはなれず、第1会場へ移動して聞いたのが、副鼻腔炎の内視鏡手術の話。開業してからの私は、すっかり手術とは縁遠くなってしまったが、内視鏡とパソコンを駆使した映像の美しさには恐れ入るばかりであった。しかもスマホをスクリーンのCRコードにかざすことにより、聴衆参加型の講演となった。残念ながら私には、このような写真を撮るだけで精一杯であったが…。
この講演の後はランチョンセミナーで、ランチの時間も惜しんで?講演が続けられた。こんな事も昔はなかった現象だ。会場前では、弁当が支給され着席後、膝の上でその弁当を食べ、ある時は講演が開始されてしまうこともあるが、そそくさと食べてその講演に聞き入るというスタイルだ。
時間と昼食代がちょっと得した気分に浸れる講演だが、会場前にはデカデカとこんな看板が立っていた。あららっと、気が引けた一瞬であった。
結論は、残念ながらこれは良し、と感じる予防や治療法はまだ確立されてない。湿度80パーセントを超えると殆どインフルエンザウイルスは飛ばなくなるということだが、全然現実的ではない。近い将来、点鼻の予防薬が出来そうだ。これ、ちょっと耳鼻科的でいいかも。当院でもやるかな!
10月4日金曜日、午前中を休診にして、四谷の都市センターホールで開催された日本鼻科学会を覗いてきた。守備範囲が限定されているように思える耳鼻咽喉科だが、その他にも耳やノドやめまい、アレルギー、感染症などいろいろな学会があり、さらにその上には日本耳鼻咽喉科学会総会というのも控えている。
学会に出席すると、何かしら、ふ~んとか、へえ~という新発見に出くわすモノであるが、午後の診療に間に合うように、ランチオンセミナーを途中で抜け出し最寄りの永田町駅へ急ぐと、左手に千代田区立麹町中学校を見つけた。
館山の洲崎灯台のそばに「風の抄」という写真のごとくの、そう大きくはない旅館がある。20室はないな。特に派手な設備もないが、部屋からの眺めは結構よい。
土曜の診療終了後、午後2時頃に医院を出ても、4時過ぎには到着する。黄色の車は我が愛車「7110」、内藤号である。
朝にはトンビの餌付けをするので、7時45分にはトンビもわかっているようで、部屋の窓近くでも旋回し放り上げる餌を待っている。
スタッフも通常時刻には集まれず、30分遅れで診療が始まったが、そのくらいの被害で済んだ。今でも南房総は被害が深刻で、この旅館もどうなったか気になっていたが、どうやら営業を再開したらしい。まずはよかった。もう少しして、ほとぼりが冷めたらまた予約を取って土曜の午後、愛車を飛ばして行くつもりだ。
画像は良いね。絵画と違って出来不出来が分からないから。先月の音楽会、とにかく最後の5小節は間違いなく弾けたはずだが、そこにたどり着くまでがぼろぼろだった。あの精神状態でよく間違わずに、止らずに弾けたものだと自分を褒めなくてはなるまい。
今週の診療は今日だけで、あとは休診だ。昨日も連休で明日からも休みが続きどうなるかなと思って診療していたが、特段混むこともなく、夏休みなので午前中が少し混んで、午後は最後だけ少しバタバタして終わった。
毎年のことだが、夏は病気が治る。なぜか?!耳鼻科の病気は気道に関係していることが多く、高温多湿はむさ苦しいものの、気道の粘膜にとってはかえって都合がよいのだと思う。
工業高等専門学校卒業という畑違いの経歴であったが、さすがは私の後輩のことだけはあって覚えは早く、動き素早く、最近では10年選手のような態度で働いていたが、イギリスへ“遊”学したいとのことで退職する事になった。開業以来、スタッフ募集などと言うのは50回くらいやっているので、そんなことにももう慣れっこである。出来れば3年くらいはいてほしいものだが、思うようにしなさい、と言うことにしている。
早いもので、今年も半年が終わった。途中で平成から令和になったので、書類の年月日が間違ってばかりで困ったものだ。この際、やはり西暦が良いと感じる事しきりである。
7月14日、市内のきらりホールで第13回鎌ケ谷市医師会定期音楽会が開催される。自慢じゃあないが、私は第1回から参加している。
定期音楽会といえばちょっと楽しそうな響きもあるが、私にとっては定期試験の様な気分だ。「不可」「絶望」「落第」、大学を卒業して何10年にもなるのにそんな言葉が脳裏をよぎる。
先週末から新宿の京王プラザホテルで“気管食道科専門医大会”があり、参加してきた。気管食道科というあまり世間では聞き慣れない標榜科だが、一応私はその専門医ということにもなっている。これもハッキリ言って履歴書といくらだったか忘れたが、お金を振り込んでなっただけの専門医であるが・・・。
11月17日を休診にして、専門医講習会に出席してきた。2日間にわたり最初から最後までびっしりと会場で講演を聞いていたのは過去に記憶がないくらいだ。おかげで、沢山の受講証明書を手にすることが出来、来年3月の専門医更新には十分の書類がそろった、と思われるが!?
17日の夜は、この講習会を教えてくれた友人と博多料理を楽しんだ。ほろ酔い気分で中州を歩いていたら若い女性の似顔絵師に誘われた。5分でこんな絵を描いてくれた。大したもんだ。なにしろ私は中2の時、美術は「2」で通した実力だ。3学期の担任のコメント欄には美術も頑張りましょう、なんて書かれた記憶が残っている。
