2008年10月13日(月) 風のガーデン
先日、まさに緒形拳の遺作となった、フジテレビの「風のガーデン」というドラマが始まりました。内容は全然知らないままにテレビを見ました。なんというタイミングの良さ?と言っては不謹慎なのか、ほかに言葉も見つからないのでそう書いておきますが、きっと偶然そうなったのでしょうが、亡くなって数日のうちにそんなドラマが始まるとは驚きでした。
主役は中井貴一で、東京で働くバリバリの麻酔科医、緒形拳はその父親役で北海道の富良野に住む老医師という設定でした。ドラマに医者が出てくるのは珍しい話ではありませんが、麻酔科医はこれまで記憶がありません。麻酔科医というのは病理医とともにDoctor’s Doctorともいわれ、世間ではあまり馴染みがありませんが、医者の世界では、一段格上の存在なのです。
ちなみに耳鼻科医は全くその逆で、ドラマでも決してシリアスな場面では登場いたしません。出てくるのは漫画か、以前のドリフターズのドタバタ喜劇の中で、額帯鏡を逆さまにかぶって登場する位なものでした。そんなわけで、麻酔科医が登場した事は私にとってかなり以外で興味深く感じました。
また、脚本が倉本聰という事もドラマを見ていて知りました。倉本聰と言えば代表作は「北の国から」ですね。1980年ころ、富良野を舞台にした田中邦衛が演じる黒板五郎とその家族の物語でしたが、バックを流れる「さだまさし」の歌と、今でこそ有名になりましたが、富良野や美瑛、そしてその向こうに見える大雪連峰の美しさが脚光を浴び、一世を風靡したものでした。
この「風のガーデン」がどんな物語であるのか、どう展開していくのか知りませんが、緒形拳は、きっとこれが最後の作品になることはわかっていたはずで、また倉本聡も知っていたことと思います。その二人が渾身の思いで作り上げたドラマを見逃してはいけません。中井貴一の顔は、もう少し脂肪が少ないほうが良いと感じましたが、それは御愛敬。これからしばらくの間、毎週木曜日は10時からテレビの前に釘付けになる予定です。
最後のテロップで、協力・旭川医科大学と出ていたところもちょっとうれしいです。北大ではなく、ローカルな旭川医大というのが大変良くて、気に入っております。一応、私の母校でもありますので・・・。