2003年06月08日(日) 学校健診の季節
とうとう5月はこれを書かずに過ぎてしまいました。毎年のことですが、5月・6月は学校検診の月です。地元医師会に属している耳鼻科医は、大抵、複数の学校医を担当しており、診療の空き時間を利用して各学校に出かけては、数百人の児童を診察しています。私は5月7日と14日にそれぞれ600~700名ほどの診察をしました。学校保健法では基本的には1人1校で、各学年を診察することになっているのですが、耳鼻科でそれを守れているところがあるのかどうか私は知りません。千葉県では、小学校は1,3,5年、中学校は1,3年となっています。
生徒を目の前に立たせて、私は生徒の身長に合わせて立ったり座ったり、ミミ、ハナ、ノドの順番で1人約20秒程度で、正に片っ端から視ていくのであります。時々、生徒に「ハナつまる?」とか「ミミの聞こえはどう?」などど質問しても答えが返って来ることはほとんどありません。自分も昔はそうであったように、変なおじさんの前からは早く立ち去りたいし、警戒して黙秘を決めこむのであります。
1校に2~3人、「よろしくお願いします」から始まり、「ありがとうございました」と言って去っていく子供がいます。思わず、親の顔が見てみたいと感心するわけです。ひととおり診察が終わると、校長先生にご挨拶をしてその年のお務めが終了となります。
毎年学校検診が終わるとホッとした気分になるのですが、街に耳鼻科医が1人もいない時代ならいざ知らず(事実、昭和50年代まで鎌ヶ谷には1件も耳鼻科医院はありませんでした。)、このようなベルトコンベアーに乗せたような診療まがいの行為は、いずれ廃止すべきではないかと思います。”学校医”ももっと別な利用法があるように思います。
現在医院の方では、その後始末に追われているところです。検診した中で最も多い病名はいつでも「耳垢」で、せっせとミミアカ取りに励むこの頃であります。