2003年02月02日(日) 見えない侵入者
インフルエンザが流行っているようです。去年の同じ時期と比べて3~4倍の患者数なのだそうです。誰がどうやって数えたのかよくわかりませんが、しかも特効薬が品薄状態で緊急輸入をするのだそうです。そんな事をニュースで取り上げるものだから、元気な患者さんでも「一応インフルエンザの薬を下さい。」とか、「ここにはまだ薬があると聞いたので、松戸から来ました。」などという、目をパチクリしてしまうようなケースも起こっております。
数年前なら患者さんを診察して、それなりの症状と所見があれば「インフルエンザですね。」とお話して、痛み止め、鼻水止め、咳止め、それに根拠はないのですが抗生物質も少し出して(ウイルスに抗生物質は無効です。)治るのを待っていたものです。現在では鼻水を採取して検査キットに垂らすと、数分でインフルエンザのA型かB型かまでを判定することが出来てしまいます。検査をしている私自身もフーンと感心する始末です。
先日、内科の某先生にこれらの事をお話したところ、「だから何だって言うんだ。オレは、検査もしないし、薬も出さない。医療費が上がるだけじゃないか。」と怒るように話しておりました。これも真実。
さらにもう一つ。今年は「花粉症の予防薬を!」と希望されて来院する患者さんがやけに多く、しかも早い。花粉症に特別な予防薬があるわけではありません。毎年飲んでいる薬を、症状が出る前から飲んでいた方が効き目がよい、と言うだけの話です。テレビや新聞で、花粉、かふん、カフンと聞いただけでも何となく鼻がムズムズしてくる、と言われた患者さんもいました。花粉症の患者さんは、毎年明らかに増加しています。早めに薬を飲むことに異論はないのですが、医療費と言う点から考えると無視できない問題もあります。元々は、まさに国がまいた種ですが。
・・・そろそろ私も薬を飲み始めましょうか・・・・。