2002年11月14日(月) 一部負担金の話
10月からまた医療保険制度が変わりました。分かりやすく言えば病院に支払う値段のことです。これは厚生労働省の中央社会保険医療協議会というところで決めているそうです。初診料、再診料をはじめ、耳垢を取ったらいくら、喉に引っかけた魚の骨を取ったらいくら、といった具合に細かく決められていて、その一部を負担金として、患者さんが病院の窓口で支払っているわけです。負担する割合は、その患者さんが加入している保険の種類によって異なり2割であったり、3割であったりしています。
日本の景気がよかった昭和40年代には健康保険の本人や老人保険では0割、つまりタダという時代があったそうですが、これからはそうはいかなくなります。少子高齢化で労働人口が少なくなり、保険を下支えする人間がいなくなるのですから、高齢者の負担が増えるのです。しかも10月からは、老人保険ではその患者さんの収入の程度により負担金が1割か2割かに分類されるという、これまでにはなかった制度になりました。
そのかわり、といっては語弊がありますが少子化の影響でしょうか、3才未満の乳幼児の負担が3割から2割に減りました。さらに千葉県では来年4月からその負担金を肩代わりしてくれそうですので、負担金はほぼ0割になりそうです。よい話ではありますが、北海道では私が開業する前からそうでしたし、都内23区では未就学児は無料ですので、この程度で喜んではいられません。江戸川を越えると地代は下がるが、病院への負担金は上がるという事で、当院窓口でも怪訝そうな顔をするお母さんもいるというスタッフの話です。