2001年12月17日(月) 医療の値段
小泉内閣の誕生以来、構造改革という言葉が連日、新聞やテレビを飛び交っています。 その割には今のところ、目立った改革がなされたようには思いませんが、要するに国にはお金がないので良いサービスは出来ない、国民からは今までより多くお金を徴収しますが我慢しなさい、と言うことだろうと私は感じています。このような内閣が高支持率を維持し続けているのは不思議にも思います。
この構造改革の一つに、医療制度改革という項目も入っています。簡単に言えば医療費をいくらにするかと言うことです。元々、これまでも医療費は基本的に2年おきに改定されてきており、来年はその年に当たります。厚生省と日本医師会と保険の支払基金の代表が協議をして決めるようですが、詳しいことは知りません。
初診料、再診料をはじめとして、耳鼻科であれば、耳の掃除、鼻の掃除、のどに刺さった魚の骨の摘出の値段など事細かく決められています。私は、このような仕事をしているのに申し訳ありませんが、一つとして正確にいくらと言うことが出来ません。それ程細かくしかも頻繁に改定されているのも事実です。そのため2年ごとに、医療費専用ソフトを購入してはパソコンに入れ込んでいるのです。
来年から老人の医療費が値上げとなりますが、これはいままでもじわじわと上がって来たことです。さらに老人とされる年齢制限が上がります。そうすることにより国の支出を抑えようと言う考えです。これからの、老齢化社会に拍車がかかる事に対する防衛策でしょう。
多くの会社員が所属している健康保険本人の自己負担割合は、昭和40年代では0割、つまりタダだった時代もあったようです。タダがよいわけでは決してありませんが、それが1割となり、数年前に2割とアップし、来年は見送られたようですが、近いうちに3割負担になるのは決定的です。毎月の給与から天引きされている社会保険料も、知らぬ間に値上げされていますので、二重の値上げとなるわけです。
先日、国会の党首討論で志位共産党委員長が、「患者さんの自己負担率のアップは病院への受診抑制へつながり、健康を損なう恐れがある。」と指摘していました。小泉首相の意見は「安すぎると何でもない人まで、病院にかかって医療費が無駄になる。」でした。患者さんは、何でもないかどうかわからないから病院に行くのです。不安があるから行くので、何でもないかどうかは病院が判断することです。本当に元気なら、だれも病院には行きません。そんな時間があれば、レジャーランドやレストランに行って楽しんでます。
以前には厚生大臣を歴任していた人なのに、わかってないんだあの人は・・・